2023年にインボイス制度がスタートしますが、会社の実務担当者のみなさんは準備の方は順調でしょうか。インボイス制度は単体の法律だけでなく、電子帳簿保存法などのさまざまな法律が絡んでいるので法対応がむずかしいかと思います。
そこで、今回は電子帳簿保存法も絡んでいる電子インボイスの保存方法というテーマでわかりやすく解説していきます。これから電子インボイスに対応しなければならない会社の実務担当者にとって必見の記事ですので、ぜひご覧くださいね。
この記事をぜひ読んでほしい方
・インボイスのことはなんとなくわかったけど、電子インボイスについて知りたい方
・電子インボイスに対応する会社の実務担当者
1.電子インボイスの提供方法について
電子インボイスとは、適格請求書などの書類を電子データ化したものです。そして、インボイス制度では紙などの書類による請求書の交付の代わりにその書類に書かれている項目について電子データを提供できるようになりました。消費税法で初めて認められたのです。
電子インボイスでの提供方法はこちらになります。
・光ディスクや磁気テープの記録用の媒体による提供
・EDI取引による電子データの提供
・電子メールによる電子データの提供
・クラウドを利用した電子データの提供
もともとは電子インボイスの提供は相手方の承諾が必要だったのですが、税制改正によって現在は相手方の承諾を受けないで電子インボイスの提供ができるようになりました。電子インボイスを運用していくうえでは相手方にインボイスの事前通知や提供方法などを相談した方がいいかもしれませんね。
2.電子帳簿保存法による電子インボイスの保存方法について
電子帳簿保存方法が関わってくる電子インボイスの保存方法ですが、3つの保存方法があります。
①保存方法A
保存方法Aはコンピューターを利用して作成したオリジナルの電子データを保存する方法になります。
保存方法Aの要件はこちらです。
・電子データを保存することと、システム操作説明書を備えつけておくこと
・パソコンやプログラム、ディスプレイ、プリンタに操作説明書を備えつけてディスプレイ画面や書面に明瞭な状態ですぐに出力できるようにしておくこと
・税務調査をするために、電子データの指示や提出に対応できるようにしておくこと
保存方法Aでは取引年月日の検索条件の設定や範囲を指定できるようにしておくことが良いでしょう。
②保存方法B
保存方法Bは自分が作成したもしくは相手方が受け取った書類をスキャンして電子データを保存する方法になります。
保存方法Bの要件はこちらになります。
・その記録されている項目の入力についてそれぞれの事業者が採用している業務処理のサイクルを円滑に行うこと
・一定の解像度や階調で読み取れるスキャナーを使用するシステムであること
・データの訂正や削除を行った場合の履歴や内容が確認できること
・データの訂正や削除ができないこと
・帳簿との関連性について確認できるようにしておくこと
※他にも要件はありますが、保存方法Aと被るので割愛します。
③保存方法C
保存方法Cは電子取引によるものでオリジナルの電子データを保存する必要があります。
保存方法Cの要件はこちらになります。
・認定タイムスタンプが付与された後に、電子データの授受を行うこと
・授受された電子データにそれぞれの事業者が採用している業務処理のサイクルを円滑に行うと並行してすぐに認定タイムスタンプを付与し、データの保存した方もしくはその保存した方の直接監督する方に関する情報についても確認できるようにしておくこと
※他にも要件はありますが、保存方法Aと保存方法Bと被るので割愛します。
3.まとめ
今回は電子インボイスの保存方法について解説しました。インボイス制度は電子帳簿保存法と絡む制度なので電子帳簿保存法を理解した上で準備した方がいいと思います。この記事が電子インボイスに対応しなければならない実務担当者に有益な記事になれば嬉しいです。