インボイス制度でポイントとなってくるのは免税事業者との取引ですよね。おそらく、どの会社も頭を抱えている悩みだと思います。今回は免税事業者と取引を行う会社にとってインボイス制度の開始前にするべき対策をテーマに解説していきます。
免税事業者と取引を行う会社だけでなく、免税事業者に該当する方もインボイス制度が開始してしまうとどんな影響を受けるのかをこの記事でお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・取引先が免税事業者で、インボイス制度が開始するまでに対策を打ちたい実務担当者
・今は免税事業者だけど、適格請求書発行事業者になってインボイスを交付しようか迷っている方
1.免税事業者と取引するとどうなる?
まず、免税事業者の定義ですが、課税売上高が1,000万円以下の事業者のことを指します。今までの制度では免税事業者との取引でも仕入税額控除を受けることはできましたが、インボイス制度が開始してからはそうはいきません。まず、買い手は売り手が免税事業者であればインボイスの交付を受けることができないので、仕入税額控除ができなくなるのです。
もし、仕入税額控除が受けられなくなっても免税事業者と取引しなければならない場合であっても急な値下げ交渉や取引停止をしてしまえば、独占禁止法にも触れてしまいますので、すごく難しい問題なのです。
ただし、インボイス制度が開始してから6年間は、免税事業者からの仕入税額控除の経過措置があります。開始してから3年間についてはその仕入税額80%ほど、残りの3年間は50%ほど仕入税額控除が適用されるのです。
いつ法改正がされるのかわからないので、免税事業者と取引する場合は早めに対策を講じた方がいいかと思いますよね。
2.免税事業者と取引するうえで必要なこととは?
さて、免税事業者と取引すると仕入税額控除が受けられなくなることは理解されたと思いますが、インボイス制度が開始するまでにどう対策すべきか解説していきますね。
①免税事業者が課税事業者になってもらえる場合
もし、課税事業者になってもらえることを約束してもらえるなら、発生する税金の負担については取引先と価格交渉をしてうまく回収していくことをおすすめします。税金の負担分を価格に上乗せするなどをして取引先と商談して税金の負担を損しないようにしてきましょう。
②免税事業者のままでいる場合
相手との取引は値下げ交渉に向けて準備する必要があります。それでも相手が値下げ交渉に応じない場合は取引停止をするなどといった最悪のケースも考えなければなりません。ただし、のめる条件とのめない条件があると思いますので、慎重に値下げ交渉を進めていくのがおすすめかと思います。先ほどもお伝えしましたが、仕入税額控除の経過措置もありますので、それを利用して価格交渉にのぞんでみてはいかがでしょうか。
3.まとめ
今回は免税事業者と取引する会社にとってインボイス制度の開始前にするべきことについて解説しました。免税事業者の方も課税事業者と取引する上で不利な立場になってしまいますので、迷っている方は適格請求書発行事業者になることをおすすめします。ただし、インボイスを交付しなくてもよい免税事業者はインボイス制度は関係ないので、その辺も確認してから検討するようにしましょう。