材料費、労務費、経費で押さえておくべきポイントとは? 原価計算の基礎知識を徹底解説!!

材料費、労務費、経費で押さえておくべきポイントとは? 原価計算の基礎知識を徹底解説!!

2022年9月27日
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原価計算を勉強する上で「材料費」「労務費」「経費」は必ずと言っていいほど、押さえておかなければならない分野ですよね。これらの分野をマスターしておかないと、個別原価計算や総合原価計算の勉強でつまずいてしまう可能性が高くなります。今回は原価計算の基礎知識を勉強する上で役に立つポイントを「材料費」「労務費」「経費」に分けて徹底解説していきます。

 

簿記2級受験者にとって工業簿記で初めに勉強する分野でもありますので、これから勉強する方や復習したい方におすすめの記事になります。最後までご覧くださいね。

 

この記事をぜひ読んでほしい方

・簿記2級を受験する方

・工業簿記の「材料費」「労務費」「経費」の分野を復習したい方

1.材料費について

材料費といえば、原料の小麦粉、材料の木材や塗料などをイメージされるかと思います。材料費はそれだけでなく、他にもたくさんあり、大きく5つの種類に分類されます。

 

①主要材料費

製品の主体となる部分の形を作る材料費になります。先ほどの例に挙げた小麦粉や木材などがあたります。

②買入部品費

外部から部品を購入した場合は買入部品費になります。例えば、自動車であればタイヤやカーナビなどを買って製品に取り付けるものですね。

③燃料費

製品を製造するためのエネルギーに使用する費用になります。石油は燃料費に当たります。

④工場消耗品費

塗料や化学製品などで製造する上で補助的に使用されるものの費用になります。

⑤消耗工具具備品費

カッターやスパナなどの加工道具として使用されるものの費用になります。

 

ちなみに、材料費の計算は使った分だけを原価として計算されます。材料を仕入れた分全てを計算しないので注意してくださいね。

 

また、材料副費という言葉はご存知でしょうか。こちらは材料費を仕入れる際にかかる買入手数料や引取運賃、保険料などの費用のことです。材料副費は重要なキーワードなのでぜひ覚えておいてください。

2.労務費について

続いて、労務費についてですが、6種類に分けることができます。

 

①賃金

賃金は工場で働く従業員の基本給や時間外労働で発生する割増賃金を含めた給与です。

②給料

賃金に対して給料は技術者や工場の事務部門で働いている人の給料になります。本社で働いている事務部門については労務費にはあたりませんので覚えておいてくださいね。

③雑給

パートやアルバイトの賃金のことを指します。

④従業員給与・諸手当

ボーナスであったり家族手当や通勤手当などを指します。

⑤退職給付費用

工場で働く退職金の支払いに備えるために、一定額を積立てておくことをいいます。

⑥福利費

健康保険や労災保険、雇用保険などの会社が負担する費用をいいます。

 

また、会社では一般的に給与の支払いは20日締25日支払が基本だと思いますが、原価を計算する際には月初から月末までの期間で実施する形になります。。原価を計算するときは、前月の21日から月末までの金額を控除して、今月の月初から月末までの金額を足すという調整を行う必要があるのです。

3.経費について

経費は外注加工賃、減価償却費、賃借料、電力料、水道代、通信費などさまざまなものがあります。経費の定義は材料費と労務費以外の原価にかかる費用のことです。経費を大きく4つに分けることができます。

 

①支払経費

実際に支払った金額を経費として扱うことをいいます。

②月割経費

減価償却費や賃借料など、1年分を支払うものを月割計算を行うことをいいます。

③測定経費

電力料や水道料など、メーターで使用した量を計算することをいいます。

④発生経費

実際の数量より帳簿の記録が少なかった場合に材料であれば棚卸減耗費に計上しますが、その支払いをしない費用のことをいいます。

4.まとめ

今回は、「材料費」「労務費」「経費」で押さえておくべきポイントについて解説しました。それぞれの分野がどういったものかイメージできれば嬉しく思います。簿記2級を受験する上で工業簿記の用語は最初はイメージしにくいと思いますが、少しずつ覚えて原価の全体像を把握してみてください。