原価計算といえば、部門別原価計算や仕掛品の計算など、複雑な計算をするイメージをお持ちですよね。特にそれぞれの専門用語を理解していないと、実際の計算方法でつまずく方が多いかと思います。
今回は部門別原価計算、仕掛品の計算の方法をテーマに原価計算の方法を解説していきます。工業簿記を勉強する方だけでなく、製造業などの工場で原価計算を行う実務担当者に必見の記事ですので、ぜひ、最後までご覧ください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・工業簿記の勉強で原価計算に苦戦している方
・工場で原価計算を扱う実務担当者
1.部門別原価計算の方法
部門別原価計算の目的は、間接費を適切に処理するために必要とされています。部門別原価計算は間接費を振り分けるために行われるのです。部門別原価計算をする際に、大きく製造部門と補助部門に分類します。
製造部門は、製品の製造を行うための部門で、加工部と組立部に分けられます。補助部門は修繕や検査を行う補助経営部門と労務や工場事務を行う管理部門に分けられます。
そして、原価を部門個別費と部門共通費に分類し、前者は原価を直接割り当て(賦課)、後者は原価を振り分けていくのです(配賦)。
2.仕掛品の計算方法
仕掛品は製造ラインに残っている製造途中の製品のことを言いますが、どのように原価計算していくのかがポイントになります。原価計算をする際に、原価計算期間ごとに原価計算表を作成し、当期製造費用を集計します。仕掛品の進捗度を確認するために材料費と加工費に分けて計算していきます。
仕掛品は当月の初めに製造ラインに前月の仕掛品が残っていて、当月の終わりには当月の仕掛品が残ってしまうので、前月の仕掛品と当期製造費用を足して、当月に残った仕掛品を引いたものが完成品原価になります。
今回ポイントとなる仕掛品の原価の材料費については、総製造費用を完成品と仕掛品の数量で按分する必要があります。加工費については仕掛品の加工進捗度を元に完成品換算量に置き換えますので覚えておいてくださいね。
3.まとめ
今回は、部門別原価計算、仕掛品の計算方法について解説しました。特に仕掛品の計算方法は製品別原価計算のベースとなるものなので、ぜひ覚えておいてくださいね。この記事を読んで原価計算のベースを理解いただけると嬉しく思います。