管理会計において自社で製品を製造するか、他社に製品の一部の製造を外注して製品を製造するかの意思決定がけっこう難しいですよね。大事なのは他社に外注することによって、その結果、コストを削減できるかということです。外注するときに重要なのは固定費と変動費になります。
そこで、今回は管理会計で重要な固定費と変動費をテーマに解説します。外注を行うべきポイントをお伝えするために固定費と変動費について紹介しますので、自社で製造するのか、それとも他社に外注するのかを検討している方におすすめの記事です。ぜひ、最後までご覧ください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・外注するか自社で製造するか検討している方
・これから管理会計を勉強する方
1.固定費と変動費とは
固定費とは、工場での操業度の増減に関係なく変化しないコストのことをいいます。工場の従業員の給料や、機械の減価償却費が当てはまります。一方、変動費とは工場の操業度の増減によって、比例して総額が変化するコストのことをいいます。材料費や外注加工費などが当てはまります。
ここで、他社に外注するときに何が増減するかがポイントになりますよね。例えば、工場で自動車に必要なタイヤの部品を製造するとします。そこで、製造する時にかかるコストとして、材料代(直接材料費)、人件費(直接労務費)、経費(変動間接費と固定間接費)があげられますよね。
他社に外注するときに削減できるコストと削減できないコストがあります。
削減できるコスト
・直接材料費
・変動間接費
削減できないコスト
・直接労務費
・固定間接費
削減できるコストは他社に外注するから製造する必要がないのが理由になりますが、削減できないコストは人件費や固定経費など、毎月支払わなければならないコストだからなので、よく覚えておいてくださいね。
2.他社に外注するときのポイントとは
自社で製造するか他社に外注するかの大事なポイントは、自社の工場に生産能力に余裕があるかということです。理由は、自社が製造するコスト以外に新しい設備の投資などさまざまなコストが発生するからなのです。
他社に外注するときに、他社の生産をコントロールする必要があります。また、他社に外注することで、工場の従業員、機械、設備などの選択と集中を決める余裕が生まれ、生産性を向上するメリットもあります。ただ、外注してしまうと、社内の技術力が低下してしまったり、技術の継承が難しくなってしまうので、自社か他社に外注するかというコストだけでなく、さまざまな視点に立って慎重に検討する必要がありますね。
3.まとめ
今回は、管理会計で重要な固定費と変動費について解説しました。自社で製造するか、他社に外注するかのポイントはコストだけで判断するだけでなく、色々な視点に立って検討しなければなりません。何を重点に置くかという判断が重要なので、外注を検討している方はぜひ、固定費と変動費の考え方に加えてさまざまな視点を持って経営的な意思決定をしていきましょう。