電子帳簿保存法の保存要件の一つに「スキャナ」保存がありますが、実務で「スキャナ」保存はどういうものが対象になるか気になりますよね。「スキャナ」保存を実施すべきものの一つに、出張旅費の対応はどうしたらいいのか頭を抱えている担当者は多いのではないでしょうか。
そこで問題となるのは、
「出張旅費はどんなものがスキャナ保存の対象になるのだろう」
「交通系ICカードを利用している場合の対応ってどうしたらいいの」
「インボイス制度も絡んでくるのではないの」
と思う方が多くいるかと思います。
そこで、今回は「電子帳簿保存法による出張旅費の対応」というテーマでわかりやすく解説していきます。また、交通系ICカードを利用するケースの対応方法についても紹介しています。最後までこの記事を読むことで、出張旅費の電子帳簿保存法対応の準備ができますので、ぜひ、最後までご覧ください。
この記事のオススメな方
- 出張旅費の電子帳簿保存法の法対応について知りたい方
- 電子帳簿保存法だけでなく、インボイス対応を実施する実務担当者
- 交通系ICカードを出張旅費で認めている法人
1.【出張旅費の電子帳簿保存法の法対応】
出張旅費とは、出張にかかった交通費や宿泊費などを会社の経費で精算することです。従業員の出張旅費というのは一般的に旅費規程に準じて処理していきます。なので、従業員は会社に対して旅費でかかった費用を精算書として提出します。その証明書として領収書の添付が必要となってきます。
電子帳簿保存法で重要となってくるのは、提出した旅費精算書と領収書が会社の取引情報ということになるので、それらを「スキャン」保存できるようになることです。言い換えると、出張旅費は電子情報を提出することが可能です。
また、旅費で日当や宿泊を実費精算で認められる企業もあるので、その場合、合理的な規定で計算すれば日当を含んだ旅費の支給が必要経費として認められているので覚えておいてください。
もう1点重要なことは、2023年10月から導入されるインボイス制度で従業員の旅費の支給について、仕入税額控除の適用に関して例外の規定があることも知っておきましょう。旅費規程次第では、領収書などの書類を「電子取引」とするか「スキャナ」保存とするのかの保存方法はどちらでも選ぶことができますので、こちらも覚えておいてくださいね。
2.【交通系ICカードを利用するケース】
最近では、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードを利用する企業も多くなっているのではないでしょうか。SuicaやPASMOを利用する場合、会社で所有されているICカードの使用履歴については、会社の取引情報となります。なので、データで取得して保存する場合であれば、電子取引情報に当てはまるので電磁的記録を保存することになるのです。
ただし、従業員個人のICカードの履歴情報については、会社の取引情報に一般的には当てはまらないので注意してくださいね。
また、交通系ICカードを利用する場合は、旅費精算書と添付書類はWebでダウンロードした使用履歴のデータが証明書となります。Webでダウンロードした使用履歴の証明書については電子取引情報という扱いになるのです。
1点注意してほしいのは、従業員個人が所有しているICカードは、会社のものではないので使用履歴自体がそのまま出張した事実ということになりませんので、覚えておいてくださいね。
3.【まとめ】
今回は、「電子帳簿保存法による出張旅費の対応」について解説しました。これから電子帳簿保存法の対応をしていくなかで、出張旅費について関心がある方は多かったのではないでしょうか。他の記事でインボイス対応についていくつか発信しておりますので、電子帳簿保存法だけでなく、インボイス制度について知りたいと思う方はぜひ、他の記事もご覧くださいね。