コロナ禍をきっかけに、多くの企業がIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めています。

経理部門は紙の書類を多く扱う業務が中心であるため、DX化が遅れがちです。
経理部門をDX化しようと考えても、以下のような悩みを抱えている企業が多いのではないでしょうか。
- 経理業務のDX化を進めたいが、どこから手をつけるべきかわからない
- 紙の書類をペーパーレス化したいが、高額なシステム導入が必要で難しそう
- DX化は大企業向けであり、中小企業では実現が難しいのではないか
そこで、今回は「経理業務をDX化するには」というテーマでわかりやすく解説していきます。
ペーパーレス化は、経理業務をDX化するための一番初めに行うべきフェーズです。
この記事を最後まで読むことで、経理業務DX化のメリットや具体的なペーパーレス化の方法がわかります。
【経理部門におけるDXの課題】


経理部門の業務50%以上は事務作業
多くの企業では、経理業務の50%以上が事務作業に費やされています。
具体的に
- 経費精算
- 仕訳入力
- 仕入れ支払処理
- 売上回収業務リスト
など、毎日のルーティン業務に多くの時間が割かれています。



紙の書類を使う場合、印刷・押印・承認といったフローに時間がかかり、業務の非効率化を招いてしまいます。
財務分析や予算編成など経営管理に時間を割きたいところですが、事務作業が忙しくて時間を割けないのが現状です。
アナログにかかる費用よりデジタル化費用が高い
「デジタル化はシステム導入にコストがかかるから難しい」と考える方も多いでしょう。



電子化であればシステム導入する必要もなく、スキャナやスマホのカメラ機能を利用するだけで十分な場合もあります。
また、紙の書類を使用し続けることで、以下のようなコストが発生します。
- 紙の購入費用
- プリンターやコピー機の維持費
- ファイリングや保管スペースのコスト
- 人的作業の負担(紙の書類を探す、運搬するなど)
クラウドシステムであれば、初期費用や月額利用料も利用容量やユーザー数に応じてリーズナブルな価格で利用できます。



運用面で問題があった場合も、保守員が電話やメールで対応してくれるため安心です。
【経理業務をDX化にするメリット】


作業時間の短縮と業務効率化
デジタル化を進めることで、経理業務の多くの部分を自動化できます。
- クラウド型経費精算システムの導入により、手入力の手間が減る
- OCR技術(光学文字認識)を活用することで、請求書データを自動読み取り
- 電子承認システムの活用により、印鑑不要で承認フローが完結



処理時間が短縮され、業務の生産性が向上します。
コスト削減とペーパーレス化の推進
デジタル化により、以下のコスト削減が可能です。
- 紙の使用量削減(印刷・保管コストの削減)
- 人件費の削減(業務自動化による作業負担の軽減)
- オフィススペースの最適化(書類保管スペースの削減)



企業全体の経費削減につながります。
【経理業務をペーパレス化するには】


クラウド会計システムの導入
クラウド型の会計システムを導入することで、リアルタイムでデータを共有でき、リモートワークにも対応可能です。
代表的なクラウド会計システム
- freee(フリー)
- マネーフォワード クラウド
- 弥生会計オンライン



電子帳簿保存法に対応したシステムを導入することで、紙の書類を電子データとして保存し、法的要件を満たすことができます。
また、契約書のやり取りを電子契約にすることで、紙の印刷・郵送・押印といった手間を削減できます。
代表的な電子契約システム
- クラウドサイン
- DocuSign(ドキュサイン)
- GMO電子契約サービス
固定デスクを廃止してフリーアドレス化
コロナ禍をきっかけにテレワークが普及し、フリーアドレス化を進める企業が増えています。
固定デスクを廃止しフリーアドレスにすることで、自席やキャビネットが使えなくなるため、紙の書類をデジタル化せざるを得ません。



紙のコスト削減だけでなく、オフィス全体のスペースも削減でき、家賃の負担も軽減されます。
また、社員一人一台のPCに加えてモニタを追加することで、今まで印刷していた書類を印刷する必要がなくなります。
書類を印刷する代わりにモニタ上でPDF化された書類を確認することで、業務効率化を図れます。
まとめ
今回は、「経理業務をDX化するには? ペーパーレス化にする方法を解説」というテーマで、経理部門のDX化の課題と解決策を解説しました。
経理業務DX化のポイント
- ダブルディスプレイの導入で紙の印刷を削減
- クラウド会計システムの活用でデータのリアルタイム共有
- 電子帳簿保存法に対応して紙の書類を電子化
経理業務のDX化を進めることで、業務効率の向上・コスト削減・リモート対応といった多くのメリットが得られます。まずはペーパーレス化から始め、DX化を段階的に進めていきましょう!
電子帳簿保存法やインボイス制度に関する情報も、今後のDX化の参考になるので、ぜひ他の記事もチェックしてみてください。