連結決算と聞くと、上場企業の経理担当者が必要不可欠な業務かと思われますが、連結決算は今後上場を検討している企業にとって必要になっていくものでしょう。
また、簿記2級の受験者で苦戦する出題する科目が連結決算ですよね。簿記2級受験者にとって連結決算は理解していないと得点を落としてしまう科目でもあるのです。
そこで、今回は連結決算の入門ということで、連結決算に関わる知識や用語について解説していきます。この記事を読めば、連結決算の全体像がわかると思います。連結決算は簿記2級受験者だけでなく、上場企業の経理実務担当者にとっても最低限必要なことなので、知識として覚えたい方はぜひ最後までお付き合いください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・簿記2級受験者で連結決算の単元に苦戦している方
・これから上場企業を検討している経理実務担当の方
1.連結決算とは?
連結決算とは親会社と子会社の別々の決算書を合計し、組替えや修正を行っていくことです。
親会社というのは他の会社の株式を50%を超えて所有していることで、それに対して子会社は自社の株式を50%以上所有されている会社のことをいいます。
また、連結決算で重要なものはこちらです。
①連結損益計算書
②連結貸借対照表
③連結キャッシュフロー計算書
①連結損益計算書
連結損益計算書は、1年間のグループ会社の経営成績を示します。親会社と子会社のそれぞれの損益計算書を合計し、連結会社の間の「売上と仕入の取引」、「未実現利益」を消去して連結損益計算書を作成していきます。
②連結貸借対照表
連結貸借対照表は、1年間の財産の状態を示します。親会社と子会社のそれぞれの貸借対照表を合計し、連結会社の「債権と債務」、「投資と純資産」を消去して連結貸借対照表を作成していきます。
③連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュフロー計算書は、グループ会社の活動で現金がどのように入っていって、どのように出ていったのかを示します。
2.連結決算で押さえておきたい知識?
連結決算で知っておきたい知識として、親会社と子会社の連結する作業で相殺消去する項目になります。
①投資と純資産の消去
②債権と債務の消去
③売上と仕入の消去
④受取配当金と支払配当金の消去
⑤未実現利益の消去
①投資と純資産の消去
親会社の投資と子会社の純資産を相殺して消去していきます。
②債権と債務の消去
こちらは「売掛金と買掛金」、「受取手形と支払手形」、「貸付金と借入金」、「未収入金と未払金」といった親会社と子会社で発生した取引された債権・債務を相殺して消去していきます。
③売上と仕入の消去
こちらはグループ会社以外で販売したものではなく、グループ会社内で取引したものを相殺して消去していきます。
④受取配当金と支払配当金の消去
子会社が利益剰余金の分配によって親会社に支払うための支払配当金と親会社の受取配当金を相殺して消去していきます。
⑤未実現利益の消去
例えば、親会社が子会社に原価6,000で製品を10,000で販売したとします。その製品が子会社の在庫にあった場合は親会社の利益の4,000は未だに実現していない利益ということで相殺して消去していくのです。
3.まとめ
今回は連結決算で知っておきたい知識について解説しました。連結決算は初めて勉強する方にとっては少しハードルが高いかもしれません。ですが、連結決算を知ることで上場企業が外部に開示している数字などが段々とわかっていくでしょう。この記事を読んで少しでも連結決算について抵抗がなくなっていけば嬉しいです。
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