サラリーマンやOLが一度に今後のキャリアについて考えることはありませんか。コロナ禍で会社の業績が傾き転職を決意した方もいるかと思います。数ある職種の中で経理の仕事は大変人気な職種です。人気や職種のつえ、競争率が他の職種に比べて高いのも現実です。
そこで、今回は転職者向けに経理の仕事の内容とはというテーマでご紹介致します。記事の前半では、経理業務の流れについて日次業務、月次業務、年次業務に分けて解説します。記事の後半では、経理職に転職するメリットから転職活動を始める前に身につけたいスキルをお伝えします。
未経験者の方は経理職に転職するハードルが経験者に比べて高いので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.経理の仕事内容とは
経理の仕事は一言でいうと、会社のお金の出入りの記録を行うことです。会社が日々お金を使う現金管理や従業員が取引先に商談するために使った経費精算、取引先から注文を頂いて検収をもらって発生する入金管理など、お金が関わる業務が経理業務になります。
1-1.経理業務のサイクル
経理業務は大きく分けて3つに分類されます。
- 日次業務
- 月次業務
- 年次業務
1.日次業務
日次業務は会社で日々発生するお金の出入りを記録し、管理する現金出納管理、会計システムに取引が発生するごとに行う伝票起票、従業員が経費を使用した際に精算を行う経費精算などが挙げられます。
2.月次業務
月次業務は月ごとに会計システムに伝票起票したデータを総勘定元帳にまとめて月次試算表を作成する業務や取引先からの売掛金の入金確認、取引先へ買掛金の支払いを行う業務などが挙げられます。
3.年次業務
年次業務は月次業務で作成した月次試算表や棚卸などをまとめて、決算書を作成する業務や年末調整や源泉徴収票の作成、税務署に税金の納付を行う業務が挙げられます。
経理未経験の方は日次業務からスタートするのがほとんどです。慣れてきたら月次業務、年次業務と専門的な業務を任せてもらえるでしょう。
経理経験がある方は、転職活動で月次業務や年次業務経験がある場合は具体的にどのような規模の経験や実績があるのかを職務経歴書に記載することが大切です。経理職の転職は特に実務経験や実績が求められます。内定をもらえるために経理実務経験だけでなく、業務改善など自分の強みをアピールして面接を通過しましょう。
1-2.経理業務の年間スケジュール
経理業務の年間スケジュールはこちらになります。
4月決算作業
5月法人税等申告、納税
6月株主総会、労働保険料の申告•納付
7月賞与の計算、支給、算定基礎届の提出
8月消費税の四半期の中間申告と納付
9月中間決算準備
10月中間決算事業
11月法人税等の中間申告、納税
12月賞与の計算、支給、年末調整
1月法定調書の提出•送付、償却資産税の申告
2月消費税の四半期の中間申告と納付
3月決算準備、実地棚卸
こちらのスケジュールは3月決算を想定した年間スケジュールです。決算作業、税務申告、納税や年末調整など、経理業務で重要な業務になります。特に決算作業は決算日を過ぎてから1年間の月次決算をもとに決算整理仕訳などを行い、貸借対照表や損益計算書などを作成していきます。
決算月の翌月は経理にとって締め作業に追われて繁忙期になる時期です。経理職に転職する方は経理業務が1年間にどういう業務をするのか頭に入れておきましょう。
2.経理職に転職するメリット
経理職は簿記や会計知識など専門的な実務を行うので、一度経理職に転職して実務経験を積めばキャリアアップがしやすい職種です。
経理職に転職するメリットはこちらです。
- 経理職の実務経験があれば、業界問わず転職しやすい
- 簿記や会計などの専門知識が活かせる
それぞれのメリットを解説していきます。
2-1.経理職の実務経験があれば、業界問わず転職しやすい
経理職は実務経験があれば、業界に関係なく転職するのが有利になります。経理業務はどの業界でもさほどやってる業務が変わらないからです。
逆に経理未経験の方は経験者に比べて経理職に転職するハードルが高くなります。新卒採用は学生時代に頑張ったことや会社の志望度の熱量を重視されますが、中途採用では今までの実務経験やスキルが重視されるのです。未経験から経理職に転職するためには、日商簿記の資格を取得することをおすすめします。簿記2級に合格してから転職活動を始めたほうが書類選考も通りやすくなります。
ただし、転職活動は年齢が上がるにつれて、求められるスキルや経験のハードルが高くなりますので、簿記の資格取得に時間をかけすぎずに転職する準備をすることが重要です。
2-2.簿記•会計の専門知識が活かせる
経理職は簿記や会計の専門知識が活かせる職種です。企業の規模によっては決算業務や税務会計などの専門知識を必要とする業務を行うことも実現できます。また、簿記や会計はどの業界でも業務は大きく変わることがないことから、スキルアップで転職がしやすい職種でもあるのです。
経理職は簿記や会計だけでなく、ITスキルや法改正のときの会計システム改修する業務改善などの高いスキルも求められます。幅広いスキルを必要とする職種なので、自分のスキルアップや成長につながる職種ともいえます。
3.経理職に転職する前に必要なスキル
未経験から経理職に転職する場合、押さえておきたいスキルがあります。
経理職に転職する前に準備しておきたいスキルはこちらです。
- 簿記2級取得
- ExcelなどのITスキルを磨く
- コミュニケーションスキル
3-1.簿記2級取得
未経験から経理職に転職する場合は、簿記2級を取得してから転職活動に臨むほうが書類選考に落ちにくくなります。企業によっては必須資格で簿記2級が記載されている場合があるからです。また、未経験から経理職に転職する理由として、簿記2級に合格したエピソードと志望理由を組み合わせれば面接官にアピールすることにもつながります。
書類選考に通過するためにも、転職すると決めたら簿記2級合格を目指すように試験勉強することをおすすめします。
3-2.ExcelなどのITスキルを磨く
簿記や会計知識だけでは経理職の業務についていけません。どこの企業も会計システムやExcelなどのITを日常的に使っているからです。特にExcelの関数やピポットテーブルなどが使えたほうが経理データを加工するときに便利です。Excelを使ったことがない方は、まずExcelの操作方法やどんなことができるのかを事前に学習しておきましょう。
余裕のある方はExcelマクロや会計システムの使い方などを勉強しておくのもおすすめします。
3-3.コミュニケーションスキル
経理職はコミュニケーションをあまりとらない職種と思われがちですが、そんなことはありません。特に経理職の場合、会計用語が飛び交う会話が多く、慣れていない方はついていくのが難しいと思われます。コミュニケーションを円滑に行うためには、相手が何を言ってどうしてほしいのかを確認するように意識しましょう。
転職活動の面接も面接官がどういう意図で質問をしているのかを考えるだけでも、質問の受け答えが円滑に進むこともできます。いくら実績やスキルがあっても、コミュニケーション能力が低ければ期待値が下がることになりかねません。自分が伝えたいことが相手に伝わったかどうか、日々トレーニングするのもいいですね。
4.まとめ
今回は転職者向けに経理の仕事の内容について解説しました。経理の仕事の内容を把握することはもちろん大事なことですが、転職するときに自分が経理職でどんな活躍ができるかを事前にイメージすることが大切です。
未経験者から経理職に転職することは難易度が高いことですが、ぜひ事前に必要なスキルを身につけてから面接に挑み、内定を獲得してもらえると嬉しく思います。