書類のペーパーレス化やデジタル化に向けて、多くの企業が電帳法対応のシステムを導入する動きが活発化しています。電帳法対応するために欠かせないのが、JIIMA認証のシステムかどうかです。
JIIMA認証対応システムを利用することで、電帳法に詳しくない方でも業務運用ができるようになります。
そこで、今回は電子帳簿保存法からJIIMA認証対応システムを利用するメリットというテーマで紹介します。
記事の前半では、JIIMA認証の仕組みについて解説します。
記事の後半では、JIIMA認証システムを利用するメリットからデジタル化する上でするべきポイントをお伝えしますので、電帳法対応のJIIMA認証システムを検討されている方に必見の内容となっております。
経理担当者に関わらず、電帳法に興味がある方やJIIMA認証システムを営業で提案する方は最後までお読みくださいね。
目次
1.JIIMA認証とは
JIIMA認証とは、システムやクラウドサービスが電子帳簿保存法の要件を満たしているかどうかを確認して認証する制度です。JIIMA認証されたシステムやクラウドサービスについては電帳法対応済みのものとしてみなされます。
電子帳簿保存法の保存方法は「電子帳簿•書類保存」「スキャナ」「電子取引」の3つです。ここで重要なのが、原本が紙であるか電子データであるかどうかがポイント。送り手の原本が電子データの場合は「電子取引」の保存方法に該当します。送り手の原本が紙であれば、「電子帳簿・書類保存」か「スキャナ保存」のどちらでも認められています。
2.JIIMA認証の種類
JIIMA認証の種類は全部で5つありますが、電帳法に関係するのはこちらの4種類です。
①電子帳簿ソフト法的認証
②電子書類ソフト法的認証
③電帳法律スキャナ保存ソフト法的認証
④電子取引ソフト法的認証
電子帳簿・書類保存に対応する認証は①電子帳簿ソフト法的認証と②電子書類ソフト法的認証です。スキャナ保存に対応する認証は③電帳法律スキャナ保存ソフト法的認証で、電子取引に対応する認証は④電子取引ソフト法的認証ということです。
3.JIIMA認証のソフトを選ぶメリット
JIIMA認証のソフトを選ぶことで得られるメリットを3つ紹介します。
- 法対応やバージョンアップなど運用メンテナンスが不要
- 業務効率化
- 検索がしやすい
それぞれのメリットを1つ1つ解説していきます。
3-1.法対応やバージョンアップなど運用メンテナンスが不要
クラウドのJIIMA認証対応ソフトであれば、電帳法改正があっても法対応を自動でバージョンアップすることができます。また、運用メンテナンスも不要で、何か不明点があればメーカーに問い合わせすることも可能です。経理担当者は法改正があるたびにプログラム改修の時間を割かれることはありません。
3-2.業務効率化
JIIMA認証対応ソフトは必要な帳票の検索から書類のデータ化、システム間とのAPI連携に優れています。紙で保管していた書類もデータ化することで、保管スペースを削減しペーパーレス化にもつながります。また、税務調査が行われた際も、スムーズに必要な書類を提出できるのがメリットです。
3-3.PCやタブレット、スマホで情報共有できる
クラウドのJIIMA認証対応ソフトはWebやアプリでシステムの中のデータを共有することができます。外出中にスマホから帳票を確認できたり、領収書をスマホからアップロードできたり、リアルタイムでデータの更新が可能です。また、電子データの申請は上長が席を会議などで席を外していても、PCでいつでも処理ができるので業務効率化にもつながります。
4.書類をデジタル化する上でやるべきこと
請求書や領収書をデジタル化するうえで大事なことは、ストレージサービスを利用して証憑類を集約することです。仕入先から得意先まで請求書や領収書をストレージサービスで一元管理することでリアルタイムにデジタルで共有することができます。
また、電帳法対応だけでなく、将来的にDX化にもつながりますので、ストレージサービスをスモールスタートで導入することをオススメします。
5.まとめ
今回は電子帳簿保存法からJIIMA認証対応システムを利用するメリットについて解説しました。電帳法対応システムを選定するうえで、JIIMA認証対応ソフトは欠かせません。会社の規模に応じて、全部にJIIMA認証対応する必要はありませんので、まずは自社の業務フローを理解してどのようなシステムを選定するのかを検討することが大切です。
電子帳簿保存法だけでなく、インボイス制度の記事もありますので、隙間時間にぜひご覧ください。