連結決算の計算は少し難しそうなイメージを持っている方が多いのではないのでしょうか。連結決算は親会社と子会社を合算した財務諸表なので、複雑なルールがあるかと思いますよね。
そこで、今回は連結決算の計算のコツについて解説していきます。連結決算は簿記2級の出題範囲でもありますので、簿記2級に合格するために連結決算の計算方法のコツもお伝えしますね。今後、上場を検討する会社にもぜひ読んでいただきたい記事になりますので、最後までご覧ください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・連結決算の計算方法につまづいた方
・連結決算の計算方法
1.連結決算はなぜ難しいのか?
連結決算は、一言でいうと連結財務諸表を作成するにあたって、決算手続きを行うことを言います。もう少し補足すると、連結財務諸表は親会社と子会社の支配従属関係の会社を一つの組織体とみなし、親会社が「連結貸借対照表」「連結損益計算書」「連結キャッシュフロー計算書」を作成するものなのです。
なぜ、連結決算が難しいのか理由はこちらです。
①子会社の数が増えていくから
②海外に子会社を作ってしまうから
③M&A(合併・買収)をするから
①の場合は、単純に子会社の間の内部取引が増えてしまうので、相殺消去に手間がかかってしまうからです。
②の場合は、通貨が変わることもそうですが、海外のルールに基づく会計処理や勘定科目に合わせなければならないからです。
③の場合は、子会社が増えるだけでなく、資産や負債の時価評価であったりのれんの会計処理が複雑になるからです。
2.連結決算の計算方法のコツは「足して、引く」こと
連結決算の計算方法のポイントは「足して、引く」ことです。具体的には、連結企業のそれぞれのグループの個別決算書を足して、二重に計上されている内部取引や債権債務を引くことが重要な作業なのです。
例えば、「投資と資本の消去」をする際は、子会社の資本を親会社の非支配株主持分の割合で分け合います。そして、会社全体の当期純利益を計算し、持分割合に応じて親会社の株主に帰属される利益と非支配株主に帰属される利益を按分して計算していきます。
連結決算を作成する手順はこちらです。
①親会社と子会社のそれぞれの会計帳簿を締め切って、試算表を作成した後、個別決算書を作成していきます。
②内部取引や投資と資本が二重に計上されている場合は相殺消去し、決算整理をしていきます。
③連結グループ全体の連結財務諸表を作成します。
3.まとめ
今回は連結決算の計算方法のコツについて解説しました。連結決算は初心者にとって理解するのに時間がかかるものだと思います。しかし、計算方法のコツをつかむことで、連結決算の全体のイメージをつかむことができ、効率よく勉強することが可能です。この記事を読んで、少しでも連結決算の全体像を理解して連結財務諸表を作成できるレベルになれば嬉しく思います。