連結決算の相殺消去のルールというのはどれとどれを消去しないといけないのかご存知でしょうか。実はどれとどれを相殺消去をすればよいかわかれば連結決算の理解が深まります。
今回は連結決算の相殺消去のルールについて解説します。連結決算の相殺消去の概要だけでなく、貸倒引当金の消去方法についても合わせてお伝えします。
連結決算の全体像を理解する上で必要なルールですので、ぜひ最後までこの記事をご覧くださいね。
この記事をぜひ読んでほしい方
・連結決算の相殺消去のやり方がわからない方
・貸倒引当金の消去方法を知りたい方
1.相殺消去の方法
連結決算の相殺消去は連結グループ内で行うことを言います。
相殺消去をするルールはこちらになります。
①内部取引を消去
・売上と仕入
・売上と販売管理費
・受取利息と支払利息
②債権と債務を消去
・売掛金と買掛金
・未収入金と未払金
・貸付金と借入金
・受取手形と支払手形
③投資と資本を消去
・子会社株式と子会社の資本金
④配当金を消去
・受取配当金と子会社の配当金
2.貸倒引当金の消去方法
貸倒引当金の消去方法は2通りの方法があります。
①一般引当
一般引当の場合、受取手形や売掛金、未収入金の金銭債権に貸倒引当金を設定しているのであれば、消去した債権の貸倒引当金の取り消しを行います。
例
親会社が営業債権を3%の貸倒引当金を設定し、子会社の売掛金10,000を消去しました。よって、貸倒引当金は300(10,000円×3%)を取り消しを行いました。
②個別引当
個別に貸倒引当金を設定している場合、グループ全体で引当をしないで個別の設定で貸倒引当金の取り消しを行います。当期に貸倒引当金を設定した場合は損益計算書で損益を調整する必要があります。
例
親会社は子会社の貸付金1,000について、当期に子会社の財政状態が悪くなってしまい貸倒引当金を500設定しました。連結決算でこの貸倒引当金の取り消しを行いました。
3.まとめ
今回は連結決算の相殺消去のルールについて解説しました。相殺消去を理解することでどれとどれを消去すればよいのかわかったかと思います。また、貸倒引当金の消去方法は例を交えて説明しましたので、イメージいただけると嬉しく思います。連結決算は理解するのに時間がかかる分野ですので、少しずつ理解して連結決算をマスターしていきましょう。