工場で働いている従業員の賃金は労務費に当たりますが、労務費といってもさまざまなものが該当します。また、労務費の計算方法も理解すれば、原価計算の攻略の第一歩となるでしょう。
そこで、今回は労務費を理解して原価計算を攻略するというテーマで労務費の分類と計算方法を解説していきます。
労務費の計算方法が分からない方はおすすめの記事になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・労務費の全体像を理解したい方
・労務費の実務での計算方法を知りたい方
1.労務費の分類
労務費は、労働サービスによって発生した原価のことで、労働サービスは従業員が行う業務によって種類が分かれます。労働サービスは大きく2つに分類されます。
①工員
工員とは製造部門の従業員のことを指し、下記に分けられます。
・直接工
モノを加工するために直接関わる工員のこと。機械工や組立工が挙げられます。
・間接工
モノを加工する以外で間接的に業務を行う工員のこと。修理工や運搬工が挙げられます。
②職員
職員とは経理部や総務部などの製造部門以外の従業員のことを指します。
また、労務費は大きく2つに分類されます。
①労務主費
・基本給
労働の対価を支払うもの。
・加給金
残業手当や休日手当など業務に関係する手当。
・諸手当
家族手当や住宅手当など業務に関係しない手当
・賞与
夏や冬のボーナス。
②労務副費
・退職給付費用
従業員の退職金の支払いのために繰り入れるための費用・
・法定福利費
健康保険や年金などにかかる社会保険料を会社が負担する費用。
2.労務費の計算方法
労務費は直接労務費と間接労務費に分けられます。直接労務費の場合は賃金の単価×時間で計算します。
直接労務費と間接労務費の計算方法はこちらになります。
①直接労務費
・直接作業労務費=賃率×直接作業時間
②間接労務費
・間接作業労務費=賃率×間接作業時間
・手待時間労務費=賃率×手待時間
続いて、直接工の賃率と直接工の予定賃率の計算方法は下記の通りです。
①直接工の賃率=給与計算期間の賃金の支払額÷原価計算期間の就業時間
②直接工の予定賃率=給与計算期間の予定額÷原価計算期間の予定就業時間
3.まとめ
今回は労務費の分類と計算方法について解説しました。直接労務費と間接労務費の分類方法はイメージできましたでしょうか。労務費は原価計算の基礎となる部分になりますので、ぜひ、理解して原価計算を攻略できる一歩を踏み込んでいきましょう。