製造間接費は製品の製造と直接的に関連がない原価のことを言いますが、配賦方法や予定配賦額の計算と聞くと、いきなりハードルが高く感じますよね。今回は製造間接費の配賦方法と予定配賦額の計算をマスターするにはというテーマで解説していきます。
配賦方法の流れと予定配賦額の基礎をポイントにお伝えしますので、原価計算を勉強していて製造間接費の分野でつまずいている方にはおすすめ記事になります。ぜひ、最後までご覧ください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・予定配賦額の計算方法を理解したい方
・原価計算でつまずいた方
1.製造間接費の配賦方法について
まず、製造間接費は間接材料費と間接労務費、間接経費に分けられます。そして分類された製造間接費を各製品ごとに配分する手続きが必要で、この配分手続きのことを製造間接費の配賦と呼ばれているのです。
製造間接費の配賦計算の方法はこちらになります。
①製造間接費を集計
②操業度を集計
③製造間接費配賦率を算定(製造間接費÷操業度)
④各製品別に製造間接費の配賦(製造間接費配賦率×製品別の配賦基準発生数)
2.予定配賦額の計算方法について
予定配賦額を計算する上で、原価計算期間の月初めに予定配賦率を算定します。
予定配賦率はこちらの計算方法です。
予定配賦率=製造間接費予算額÷基準操業度
続いて、予算配賦額の計算方法はこちらになります。
①各製品別の予定配賦額=予定配賦率×各製品別の配賦基準実際発生数
②予定配賦額の期間総額=予定配賦率×実際操業度
あと、配賦差異も原価計算で重要なポイントです。配賦差異とは、実際発生額との間に乖離が起こる金額のことを言います。配賦差異の計算方法はこちらです。
配賦差異=予定配賦額ー実際配賦額
最後に配賦額は予算差異と操業度差異に分類することができますので、それぞれの計算方法についてもお伝えします。
予算差異=予算許容額ー実際発生額
操業度差異=予定配賦額ー予算許容額
ちなみに、予算許容額というのは、実際操業度の製造間接費の目標とする金額のことをいいます。こちらは固定予算と変動予算に分けることができ、前者は操業度の大小に関係なく予算は一定額となりますが、後者は操業度に応じて予算が変化するのです。
3.まとめ
今回は製造間接費の配賦方法と予定配賦額の計算方法について解説しました。特に予算配賦額の計算方法や配賦差異でつまずく方は多いかと思います。今回は基礎的なことを中心に解説してきましたが、イメージできたでしょうか。この記事を読んで少しでも原価計算について内容を理解でき、苦手意識をなくしていただけると嬉しく思います。