原価計算を行う上で、材料費と労務費、経費を製造直接費と製造間接費に分けることが必要だということは以前の記事でもお伝えしました。そして、製造間接費はそれぞれの項目に配賦といった計算手続きによって製品の原価へ振り分けを実施します。その配賦にあたって重要なのが部門別原価計算の役割なのです。
そこで、今回は原価計算で苦戦しそうな分野の一つである部門別原価計算の流れをテーマに解説していきます。部門別原価計算は個別原価計算や総合原価計算など複雑な原価計算の基礎にもなりますので、これから原価計算を本格的に勉強しようという方にもおすすめの記事になります。ぜひ、最後までご覧ください。
この記事をぜひ読んでほしい方
・部門別原価計算の全体像を理解したい方
・本格的に原価計算をこれから勉強しようと思う方
1.部門別原価計算の目的
部門別原価計算の目的は、製造間接費を製品に配賦することです。そして、原価計算をするために原価部門という組織区分を分類しています。原価部門では、原価を管理する上で責任区分を明確にし、製品原価の計算を正確に行うように実施しているのです。原価部門の分類は製造部門と補助部門に分類し、さらに、補助部門を経営部門と工場管理部門に分けられるようなイメージです。それぞれの部門に製造間接費を配賦していきます。
2.部門別原価計算の流れ
部門別原価計算の流れはこちらになります。
①第一次集計
製造間接費を部門別に分類して集計します。そして、製造部門と補助部門に振り分けていきます。
②第二次集計
補助部門に集計された製造間接費を製造部門に配賦していきます。
③製造部門に集計された製造間接費を製品別に配賦していきます。
上記内容をもう少し補足していきます。
まず、第一次集計の目的は部門別に集計した製造間接費をまとめることが目的です。そして、部門個別費と部門共通費に分類します。前者は、原価部門で発生した金額を、直接的に配賦することで、後者は、原価を適切な配賦基準に基づいた上で関係のある部門に配賦することです。
続いて、第二次集計の目的は補助部門費を製品別に配賦していくために、製造部門に配賦することになります。第二次集計のポイントは、補助部門費を製造部門費に配賦するために、どのような基準で配賦していくのかを決めていくことです。補助部門の提供サービスに応じて配賦することが原則となりますので、何かの基準を持って選ぶことが必要になるので、覚えておいてくださいね。
3.まとめ
今回は部門別原価計算の流れについて解説しました。部門別原価計算の流れを理解することで、計算方法のイメージがわくかと思います。個別原価計算や総合原価計算の基礎にもなりますので、この記事を読んでお役に立てれば嬉しく思います。