原価計算の最大の難関!! 個別原価計算と総合原価計算の違いとは?

原価計算の最大の難関!! 個別原価計算と総合原価計算の違いとは?

2022年9月18日
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原価計算のなかで一番勉強していてつまずくのは個別原価計算と総合原価計算の分野ではないでしょうか。この分野に関しては非常に複雑でなかなか聞き慣れない専門用語があって理解するのに時間がかかりますよね。

 

今回は原価計算の最大の難関である個別原価計算と総合原価計算の違いというテーマで解説していきます。個別原価計算と総合原価計算を理解することで、原価計算の全体像をイメージしやすくなりますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

この記事をぜひ読んでほしい方

・個別原価計算と総合原価計算の違いを知りたい方

・原価計算について勉強しているけど、イマイチ理解できていない方

1.個別原価計算とは

個別原価計算とはあるものの種類と異なる製品を個別的に製造するための製品別計算方法のことをいいます。個別原価計算では、それぞれの製品が工程指図書や製品指示書によって1つのロットに分類されているのです。もう少し補足しますと、建設業界や船舶を扱う造船業界、化学プラントなどを扱う重工業メーカー業界で製造される受注生産方式の分野で多く見られるのが個別原価計算方式です。

 

個別原価計算は1つの製造指図書に対して1個の製品を製造するということがほとんどで、直接費についてはそれぞれの製造指図書に直課していきます。間接費についてはどうやって製造指図書に配賦していくのかが重要なことになります。

 

また、個別原価計算において、仕損費の処理も必要になっていきます。仕損というのは、製造工程によるミスや品質や規格に満たない不合格品のことを指します。仕損費の処理は製造指図書に集計して製品の原価に負担させた上で処理する場合と新しく特別に製造指図書を作成し、ここに集計した上で初めに作成した製造指図書に負担させないで処理する場合があるので覚えておいてくださいね。

 

2.総合原価計算とは

個別原価計算については個別的に製品を製造する原価計算とお伝えしました。一方、総合原価計算とは連続的に製品を製造する原価計算になります。今回は総合原価計算のメインとなる単純総合原価計算について解説します。

 

単純総合原価計算とは、同じ種類の製品を反復的に連続で製品を製造する原価計算のことをいいます。単純総合原価計算でイメージすると見込み生産になりますね。見込み生産の量産品を単一の製造工程で継続的に製造している感じです。

 

単純総合原価計算のポイントは仕掛品になります。この仕掛品で必要なものは完成品換算数量です。完成品換算数量というのは、仕掛品1個あたりの原価を評価するときに、加工進捗や材料の投入時点で完成品の製品に対してどの程度の割合で表すかというものです。仕掛品1個当たりの完成品換算数量がわかっていたら、製品の合計と仕掛品の完成品換算数量の合計を割ることで、製品1 個あたりの原価や仕掛品の原価を算出できますので、覚えておいてください。

 

3.まとめ

今回は個別原価計算と総合原価計算の違いについて解説しました。個別原価計算と総合原価計算は複雑で難しい分野です。この分野をマスターすれば、原価計算の理解度が格段に上がりますので、ぜひ個別原価計算と総合原価計算の違いについては押さえておきましょう。